第25章 ミステリートレイン
「なにぃ!?哀くんがいないじゃと!?」
「はい、近くの車両のトイレも探したんですけど、どこにも」
あれから、蘭さんとどこを探しても哀ちゃんが見つからない。
一体どこへ消えてしまったのか。
心配だ……
「ん?メール?」
すると、蘭さんがそう言って携帯を取り出した。
「あ、哀ちゃん!?」
そう言う蘭さんの携帯を除くと、
『私は大丈夫だから心配しないで』
と書かれたメールが送られてきたようだった。
「確かに哀君のメルアドじゃが…」
「きっと、コナンくんの所じゃないでしょうか?」
「きっとそうだね!」
「オレらも行きたかったよな?」
口々にそう話す子供たち。
もし、本当にコナンくんの元へ行ったのなら確かに心配はいらないかもしれない。
だが、この胸騒ぎは何だ……?
「まあ、本人も大丈夫って言ってるんだしきっと大丈夫ですよ!
どーせあのガキンチョのとこにいるんだろうし」
「そうだといいんだけど…」
「私、哀ちゃんに電話してみますね!」
そう言って蘭さんが電話をかけてくれたが、一向に繋がらないようだ。
「うーん……あ、コナンくんなら繋がるかも!」
しかし、携帯を耳に当てながら無言の蘭さん。
「もうっ!じゃあお父さんは!」
そうして再び携帯を耳に当てるが、状況は変わらない様子。
「もう、何で……?」
「世良さんにも電話してみたけど、こっちも繋がらないよ!」
園子さんもそう言った。
「哀ちゃんもコナンくんもお父さんも世良さんまで…
みんな電話が繋がらない……」
「どうしたのかしらね…」
私たちの不安は募るばかりだ。
「…私、一等車に行ってくる」
「あ、こ、これ!!今推理ショーの真っ最中だそうじゃから、邪魔せん方がいいと思うがのォ……」
部屋を出ようとしたら、阿笠さんに止められてしまった。
推理ショーってことは、さっきの密室殺人は解決したということか。
なら何故、こんなにもみんなと連絡が取れないのか…?
哀ちゃんは…哀ちゃんは無事なのか……?
ーー…ゼロは…?
色んなことが頭を駆け巡って、どんどん悪い方向へと考えがいってしまう。