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【名探偵コナン】sangría

第23章 中継



高木くんが今、口のガムテープを剥がすことに成功した。
だが、衰弱仕切っているようで声が出せず、助けが呼べない様子である。
2日以上水を口にしていないから喉はカラカラなのだろう。

しかし、爆発の時間は刻々と過ぎてゆく。
それに合わせて皆の焦りも段々と募ってゆく。



「ねぇ、ちょっと待って!!
高木刑事のバックに映ってるの、凧じゃない!?
しかも1つや2つじゃないよ!!」

コナンくんが映像を見てそう言った。

「凧揚げ大会ね…!!
白鳥くん!場所は分かる!?」

「えっと…本日、北海道で凧揚げ大会が行われているのは、池口町、狛前町、美唄市の3箇所だ」

「至急その旨を道警本部に伝えろ!
しかし1つに絞れるのか…?爆発まであと5分も無いぞ!!」


管理官の声色も切羽詰まっている。
何か、何かもっと情報が必要だ…!!


「高木さんが!口を動かして何かを伝えようとしてます!!
でも、正面の映像じゃない上に雪で遮られて唇を読むことは……」


千葉くんの言葉で映像を見詰める。
これは……


「狛前……!!」

「えっ…?」

「1度口を閉じなきゃ発音出来ないのは『ま行』『ば行』『ぱ行』の3つよ!!場所を伝えようとしてたなら、さっきの3箇所でそれが2文字入るのは『狛前』だけ!!」

「目暮!狛前町だ!!狛前町に急行しろ!!」


私の叫びを皮切りに、管理官が電話からそう指示した。
どうか…どうか間に合ってくれ……!!


「残り2分を切ったぞ!!」


どんどん緊迫した空気になっていく。
私は手を絡めて祈ることしか出来なかった。





























爆発と共に、映像が途切れた。
タブレットは今、灰色の画面しか映さない。


「高木くんは…どうなったの……?」


張り詰めたまま、みんなで画面を凝視する。

すると、プツッと画面が切り替わった。
そこに映っていたのは、あつ〜い口付けを交わす佐藤と高木くんの姿。


「よ、良かったぁ……!!」


「たぁかぁぎぃぃぃ」
「死ねばよかったのにぃぃ」


安堵を零す私の背後から、凄い殺気を感じた。
あはは、落ち着けって。
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