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【名探偵コナン】sangría

第3章 ちゃんと見て



私の両親は、国連で働く国際公務員である。
そのため、小さい頃から英語の大切さを教えられ、英語に追われる日々であった。
世界中を行き来している両親は家に帰ってこないことも多々あり、基本はシッターさんに面倒を見てもらっていた。
小さかった私は、どうにかして両親に構ってもらおうと、齢1桁ながらに必死に勉強していた。

しかし、両親は私の事をちゃんと見てくれることはなく、私は徐々に不信感と共に反抗心が芽生えていったのだった。
そして高校生になる頃には、必死にやってきた英語を1mmも勉強せず、両親とも一切会話をしないという生活を送るようになった。
おかげで大学受験では、英語が足を引っ張って第1志望の東都大学に合格することが出来ず、滑り止めの大学へ通うこととなり、その後の就職活動もろくに行わなかった。
そして両親の猛反対を押し切って警察官採用試験に挑んだのである。


今でも両親とはあまり連絡を取っていない。
正直、思春期のしょうもない反抗期であったなとは思っているが、それでも私は英語が嫌いだし、両親と仲良くするつもりもない。



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「刑法第九章第百八条は?」

「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱抗を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する」

「おー流石に覚えてきたね」

「そりゃ、毎度毎度ノートに丸写しさせられりゃ覚えるわ」

「よく言うよ。最初はすぐシャーペン分解しだしてたってのに」

「分解の方が何倍も有意義だろ」

「どうだか」






最初の勉強会から早1週間、ようやくこの馬鹿もある程度には成長し、他のみんなも着々と勉強が進んでいるようだ。





「陣平ちゃんもいい調子だし、他3人も誘ってちょっと休憩でもどうです?」

「萩の奢りなら考えなくない」

「俺食堂のプリンな」

「ちょっとー俺今金欠なのにー」








ピーンポーンパーンポーン
「鬼塚教場、至急教官室まで来るように」










「え、私?!」

「ちゃん何やらかしたの」

「いや、身に覚えがありませんって」

「放送で呼び出しとか相当じゃん」

「まじかよ…。ちょっと行ってくる」

「たっぷり絞られてこいよー」


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