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【名探偵コナン】sangría

第18章 危険なエリア



沖矢さんの車に乗せられ、被せられていたジャケットを剥ぐ。

「あの、今頭がこんがらがってて何から聞けばいいか分からないんですけど…」

「それでいい。どうせ君に教えられることなんて1つも無いだろうからな」


その言い方にだいぶムカついたが、とりあえず頭の中を整理しよう。

まずは、結局赤井さんは生きていたのか?
これについては正直微妙な所である。
ジョディの言っていたコースターの存在や、黒い帽子と右頬に火傷の跡がある男性、そして赤井さんの名前をジョディが叫んでいたこと、これらが大きな鍵を握ることに間違いは無いだろう。
ただ、その赤井さんに似た男性を私は直接見た訳では無いため、考える要素にしては薄い。

結論、分からない。
しかし一つだけ分かっていることは、コナンくんだ。あの子は赤井さんの死の真相について何か知っている。
これは確か。


次に、キャメルさんが言っていた「危険」とは何だったのか?
スナイパーと黒のポルシェ356A。
この2つの単語を聞いた瞬間に、ジョディとコナンくんの顔が強ばった。
そしてジョディが叫んでいた「赤井さんが狙われている」という言葉から、赤井さんの死もこれに関係するのだろう。

しかし、この件に関しては情報が少なすぎるため、現状私の中で何か判断するのは難しい。


最後に、なぜ私は外に出ては行けなかったのか?
これはコナンくんと沖矢さんから言われたこと。
会話から察するに、2人とも共通の理由であることに間違いはないだろう。
加えて沖矢さんは『私の姿を見られる訳にはいかない』と言った。
誰に?
そして、なぜその理由を当事者の私に教えてくれないのか?
これに関しても情報が少なすぎるな。



そして最大の謎はこの男、沖矢昴。
そもそも、コナンくんと知り合いの時点で驚いた。
ならば沖矢さんにご飯をご馳走になった日、なぜコナンくんは沖矢さんのことを聞いてきたのだろう?
なぜ沖矢さんは今日あのデパートにいたのだろう?
近くの帝都銀行に用があったことに嘘は無さそうだが、どうにも何か隠している気がしてならない。
この人は「危険」と何か関係があるのだろうか?

てか、なんで私は沖矢さんの車に乗ってんだよ。
なんでこの人は私の承諾無しに勝手に送ってくれちゃってんだよ。
なんで一度ご飯を恵んだだけの私にこんな突っかかってくるんだよ。
こいつ何者だよ。
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