第18章 危険なエリア
すると、離れた所からジョディの叫ぶ声が聞こえた。
「ダメよ秀!!外に出ないで!!!奴らが狙ってるの!!
お願い止まって!!秀…!!」
赤井さんが、この人だかりの中にいるのか…?
狙われてるって、一体誰に…?
とにかく、赤井さんが危ないならば彼を探さなければ。
そう思って外に駆け出そうとした瞬間。
「っ!!?…お、沖矢さん!?」
何故だかそこにいた沖矢さんに腕を掴まれた。
そして来ていたジャケットを私の頭から被せる。
「…今、君の姿を奴らの前に晒す訳にはいかない」
そう言いながら、私の腕を引いて百貨店の奥へ入っていった。
「す、昴さん!?なんでここに?」
入っていった先には、コナンくんが待っていた。
「実は、この百貨店のそばにある帝都銀行に用があってね」
「…でも、新一兄ちゃんちからここまで距離あるよね?」
「ホラ、あの銀行で強盗事件があっただろ?あの事件を振り返るニュース映像に知人が映っていたから、もしかしたらあの銀行を利用してるんじゃないかと来てみたんだ。
もしそうなら近辺に住んでいるはず、会えたらラッキーだと思ってね」
「じゃあ、その人と会えなかったの?」
「いや、偶然見かけたんだが、残念ながら人違いだったようで声は掛けなかったよ。
……昔からよーく知った顔だから、見間違えるわけないからね」
話している内容は他愛もないはずなのに、何故だろう。
殺気というか、不穏なものを2人から感じる。
すると、コナンくんが沖矢さんの後ろにいた私に気づいた。
「あれ、さん?なんでここにいるの!?
動かないでって言ったよね!!」
外に出るなとは言われたけど、動くなと言われた覚えはないぞコナンくん。
「だって、あなた達が血相変えて走り出すんだもん」
「安心してくれコナンくん。彼女はこの通り外に出る前に私が捕まえたから、このまま私が送っていくよ。
彼女の連れにもそう伝えておいてくれ」
そう言って引っ張っていた手を離し、肩に手を回した。
「さあ帰ろうか」
「は、え、ちょっ…!」
ジャケットで顔を隠されながら無理やり百貨店の駐車場へと連れていかれた。