第18章 危険なエリア
「あれ、そういえば毛利さんは?」
「あ、父ならこのTシャツの袋に一緒に入っていたレシートを見て、そこに書いてあったフィットネス用品売り場を調べに行ってます」
「レシート?」
「はい。
なんかそのレシートも不思議で、上半分が三角形にちぎられていたんです。
しかも日付は全部日曜日の12時29分で統一されていて…」
うーん、三角形にちぎられたレシート…日曜日の12時29分…袖部分に不思議な折り目がついた赤いTシャツ……
っ!?もしかして……!!
そう思い立った瞬間、私は携帯であることを調べた。
『雪山 遭難事故 13年前』
よし、ビンゴ。
「あれ!?コナンくん?
もう、また居なくなっちゃって……」
蘭さんがそう言った。
あの子のことだから、私が気づいたことにはもう気づいているはず。
恐らくは、調べに行ったんだろう。あのことを。
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しばらくしてコナンくんが戻ってきた瞬間、急に毛利さんがフラフラして床に座り込んでしまった。
「え!?毛利さん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫ですよさん。
あなたも気づいてらっしゃるでしょう?この爆弾騒ぎの真相を」
「え、ええ。まあ…」
なんだなんだ、いつもの毛利さんと違うぞ…?
何だか、知性を感じるというかなんというか…
「姿無き送り主…姿無き爆弾犯……、そこにこの事件を解く鍵があったんですよ」
こ、これが噂の眠りの小五郎か!!
直接見るのは初めてだな。
「妙だと思いませんか?その赤いTシャツと一緒に送られてきたというレシートを見れば、この百貨店のフィットネス用品売り場で毎週日曜日の午後12時29分に買われた物だと言うことは分かる。
送り主を知りたいなら、その時間、その売り場をこっそり見張っていればいずれ買いに来るはずだ」
「きっと来なかったのよ!
だからトイレで気絶させたあのオジサンに爆弾を巻いて、送り主を捜せって…」
「そこが妙なのよ、蘭さん。
誰かの体に巻き付けるには人目を避けなければいけないけれど、そうなると問題の売り場から目を離さなきゃいけなくなるでしょ?
爆弾まで使って必死に送り主を探してる人が、そんな迂闊な真似をするとは思えない」