第17章 難攻不落の
「そーいえば、あの人も気づいてたぜ?
そのお陰で茶木警視との会食の嘘がバレたんだからな」
「だろーな。
ま、今日ここに来てたこと自体びっくりだったんだが…」
「ほいこれ、あの人からオメーにだとよ」
そう言って渡したのは、折りたたまれた1枚の手紙。
「あの人もオメーも、オレを伝書鳩か何かと勘違いしてんじゃねぇか?」
「信頼してるってこったろ?彼女も、オレもな?」
「オメーからの信頼なんざこれっぽっちもいらねぇよ」
「冷たい事言うなよ名探偵。
んじゃ、オレはおいとまするぜ?相談役と彼女によろしくな!」
そうして怪盗キッドは、窓から夜の闇へと姿を消したのだった。
「げっ、マジかよ…」
先程受け取った手紙を開いたキッドは、夜空を飛びながら思わずそう呟いた。
____愛しの月下の奇術師さんへ。
近々、あのジャケットを返しに貴方の元へ伺います。
望み通り、沢山お話しましょうね。
楽しみにしてるわ。
月下の美しい私より____