第17章 難攻不落の
「いいか者共!!
今日こそ奴を引っ捕らえて、あのキザな面を吠え面に変えてやるぞォォ!!!」
本物の怪盗キッドの予告状を受け、やる気十分な様子の中森警部。
にしても、あの予告状はどうやって置かれたのだろうか。
何故重量センサーは作動しなかったのか?
キッドはあの防犯装置を掻い潜る術を持っているというのか?
「キッドはその予告状を置いた時、きっとボク達の近くにいたんだよ!
だって、最初にあの部屋の扉を開けた時には何もなかったのに、次に開けた時には予告状があったんでしょ?
その間、ボク達ずっと部屋の近くにいたよ?」
確かにコナンくんの言う通り、予告状をあの場に置けるような人物がいたとすれば、その人物は私たちの近くにいたはずだな。
「鈴木次郎吉相談役、あの重量センサーはスイッチを切ってる時に置かれた物にはスイッチを入れても反応しないんですか?」
「ああ、スイッチを入れた時の状態から重さがかかれば反応する仕組みじゃからのォ」
てことは、私のタバコを取りに一度スイッチを切ったあの瞬間に、キッドは予告状を置いたということか…
「あーーっ!!あの使用人さん、部屋に入って拾ってた!!」
蘭さんが突然大きな声を出した。
確かに、あの時部屋に入ったのはあの頼りなさそうな使用人の秋津さんだけだ。
でも、他にも置ける人物はいた。
それは…
「あの今日雇われたって言ってたメイドさんにもできるんじゃない?犬を探してキョロキョロしてたって言ってたから」
コナンくんの言う通り、あのそそっかしいメイドさんも怪しい。
実は、この部屋にはもう1つ扉がある。
そこから、警備の人の隙を見て扉の下の隙間から予告状を入れることなら彼女にも可能だろう。
どちらにしても、キッドは誰かに変装して既にここに乗り込んでいる可能性が高いというわけだ。
「よーし、その使用人とメイドをここに連れてこい!!
顔を思いっきり引っ張って変装してるかどうか確かめてやる!!」
やはり、それが1番手っ取り早いか。
「ならん!!
儂が雇うた者はその時点でもはや家族同然じゃ!警察といえど勝手な振る舞いは許さぬぞ!!」
相談役が大きく反対した。
そう言われては、中森警部たち警察は手を出せない。