第2章 唸れ体育祭
「ありがとうね。孫から貰った大切な手紙が入っているカバンだったから、取り返して貰えて本当に良かったよ」
「ばあちゃんも、大した怪我が無くて良かったよ」
「一応、擦り傷の手当はしてありますが、他に体に異常を感じたら病院へ行って下さいね」
「何から何まで本当にありがとうね」
「私たち、一応警察官ですから!
と言っても、まだ見習いなんですけど」
「そうだったのかい!あなたたちみたいな人が警察官なら、あたしらも安心して生活出来るね。
そうだ!大したものじゃあないんだけど、良かったらこれ」
そう言っておばあちゃんは、私たち6人分のカンロ飴をくれた
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「っ、離せよっ、!!」
「離すわけねーだろ」
「スリは刑法第235条の窃盗罪にあたる。立派な犯罪だ。近くの交番まで連行する」
「くそっ、お前ら何もんだよ」
「通りすがりの警察官ってところだな」
そう言って、伊達、松田、降谷の3人は取り押さえた窃盗犯と共に交番へと向かった
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おばあちゃんを見送り、窃盗犯を連行し終えた伊達たちと合流する。
みんなで草むらに寝転びながら、少し休憩
「おばあちゃん、嬉しそうだったね」
「うん。大切な手紙って言ってたしね」
「陣平ちゃん達のお手柄だな」
「班長のペットボトル投球には驚いたぜ」
「あれはもはや弾丸だったな」
「いや、咄嗟だったんでついな」
日が落ち始めてる空を眺めながめながら、貰ったカンロ飴を舐める。
普通の飴とは少し違う癖のある味に、懐かしさを感じる
「て言うか、自転車相手にあんだけ距離詰められるとか、やっぱりあんたら人間じゃないよ
ゴリラだゴリラ」
「あ?んだとてめぇ」
「僕もか?!」
「はーあ!負けてらんないわ
ほら、早く特訓の続きしようよ」
「お!ちゃんがやる気だ」
「だって、勝ちたいし
ほら!ゼロも松田も早く!!」
「しゃーねぇな」
「そこまで言うなら、容赦しないぞ」
「ドンと来い!」
そうして私たちは、赤くなり始めた空を背に再び特訓に勤しむのであった
「やっぱり、なんだかんだで楽しんでるね」
「ああ、俺達も頑張らないとな」