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【名探偵コナン】sangría

第15章 奇術師



「あれ、さん?こんな朝早くにどうしたの?」

毛利さんのお宅にお邪魔したら、まだ目が虚ろでパジャマ姿のコナンくんがいた。

時間を確認すると、朝の6時半。
こんな早くから本当に申し訳ない。


「朝早くにごめんなさい」

「実は、探偵事務所の鍵を開けに行こうとしたらさんがドアの前で寝てたのよ!」

「えっ!?なんで!!?」


蘭さんの説明に驚くコナンくん。
そりゃそうだよな。大の大人が人の家の前で寝ていたなんて聞いたら驚くに決まってる。


「ごめんなさい、私にもよく分からなくて…」

「そういえばさん、昨日急いでどっかに行ったみたいだったけど、どこに行ったの?」

「あーあれは……どこに行ったんだっけ……?」


昨日、蘭さん達と別れてから急いでタクシーを捕まえたことは覚えている。
でもなんでだ?私は何処に行きたかったのだろうか?


「その手に持ってる黒いジャケット、さんのじゃないよね?誰のか分かる?」

「ああこれは、気が付いたら肩にかかってたから誰のだか分からないわ」

「ちょっと貸して」


そう言ってコナンくんは私からジャケットを受け取って調べ始めた。


「…っ!?何か入ってる…!」


そのポケットからコナンくんが取り出したのは、白いカード。
裏には、怪盗キッドマークが記されていた。


「…なんでさんが持ってたジャケットにこれが入ってたか、分かる?」


コナンくんの言葉に、昨日の記憶を必死に辿った。


そうだ、確か昨日はキッドを追って、それで急いでタクシーに乗ったんだ。
その後、住宅街を走り回って、屋上にいる人影を見つけて、それで……


「…多分だけど、さんが見つけたっていう人がキッドで、睡眠薬か何かを飲まされたんじゃないかな?
そうすると、直前の記憶は曖昧になるから」


コナンくんの言う通りなのだろうか。
だとしたら、キッドはわざわざ私をここに連れてきて、上着を貸して去っていったと言うのか。


「キッドと何か話したりした?」

「うん、多分何か話した気はするんだけど、内容までは思い出せなくて…」

「そっか、」

「ごめんね…」


「ううん!」とコナンくんは言って、このままカードを持って1度自室へ戻って行った。
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