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【名探偵コナン】sangría

第15章 奇術師



「「「テ、テレポーテーション!!!??」」」


その場にいた群衆全員が驚いた。

瞬間移動で逃げるだなんて、そんな、そんな魔法みたいなことが可能なのか…?







『さあ大変なことになりました!!
突然飛び出た怪盗キッドのテレポーテーション宣言!!
果たしてキッドはこの包囲網から、本当に瞬間移動で脱出する事ができるのでしょうか!?』


テレビ局が煽るように報道し、観客からもキッドコールが止まない。


「おのれキッド、そこを動くな!!」

二課の中森警部が群衆を掻き分けて急いでキッドのいるショーケースの元へと向かう。


「伝説のミュール、パープル・ネイル…
この通り確かに頂戴いたしました!
ではまた10数秒後に、時空を超えた先でお会いしましょう」


「キッドオォォォ!!!」



そう叫んで、中森警部がショーケースへ飛びついた時には、既にキッドはいなかった。



すると、怪盗キッドマークが刷られたカードが1枚空から降ってきた。
そこには『Three』と書かれており、そして同じカードがもう1枚。
そこには『Two』。
そして最後の1枚には『One』。

一体このカードは…



突然背後でポンッと破裂音が鳴り、みんなその方向へ向く。


「えっ、」


なんと、ビルの屋上に怪盗キッドが立っていたのだ。




「すごーーい!!さすが怪盗キッド!!」
「20秒足らずで、あんなところにテレポートしちゃった…!!」

群衆が歓声で沸き上がった。



ビルの屋上で月を背に佇むキッド。

それはまるで、20年前に見たあの舞台で輝く彼のようで、


「……魔法使いみたい…」


私は思わずそう呟いた。





「鈴木次郎吉相談役にお伝えください。
貴方から贈られた貴重な品は確かに預かりましたが、残念ながら片方は模造品…
これはそちらにお返ししますので、可能ならば、
明晩、再びこの場所に用意して頂けるとありがたい。
愛しい女性に贈ろうにも片方のみでは機嫌を損ねるだけですから

では…」


そう言ってキッドは屋上から飛び降りると、ハンググライダーで闇夜へ消えていった。
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