第14章 魔法の呪文
「どうしたんです?」
「せっかくコナンくんから借りた携帯で繋がったのに、取らないのよ、秀の奴!」
「仮眠を取っているんじゃ…
赤井さん、今回の件でかなり寝ていないようでしたので」
ジョディとキャメルさんの話す声が聞こえてきた。
もしかして、赤井さんも今日本に来ているのだろうか。
だったら連絡くらいしてくれてもいいのに!
「ねぇ、赤井さんも一緒に旅行に来てるの?
だったら、今度皆で食事でも…
「あ、ああ!!秀はちょっと忙しいみたいだから難しいかもしれないわ!!」
「そ、そう…」
焦った様子でそう返すジョディ。
もしかして、私には会いたくないとかそういう事か。
…やっぱり冷たい人。
「だったら、2人だけでも!
いつまで日本にいるのかは知らないけど、また連絡ちょうだいね」
「え、ええ!」
そう言ってジョディとキャメルさんと別れて、私は目暮警部たちの元へ戻った。
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その日の夕方。
「全く、さんったら担当の報告書ほっぽって現場に行って!後処理色々大変だったんすからね!」
「ごめんごめん。でも青柳ならそれくらい造作もないでしょ?
なんたって、私の優秀な部下なんだから!」
「そ、そうですけど……」
満更でもない様子の青柳。チョロいな。
まあそこも、こいつのいい所なのだけど。
青柳と話していると、ふとこの間のことを思い出した。
___俺、約束出来ます!!さんの前から絶対に居なくならないって!!__
こいつがどんな思いで言ったのかは分からないけど、言われた時は素直に嬉しかった。
大切な人を亡くしてきた私には、この言葉がとても重く感じて、だけど心の奥にすっと入ってきて、何というか、安心したんだ。