第14章 魔法の呪文
「What's the hell! 」
(も〜どうなってるの?)
「ん?どうしたの?」
「私の携帯、今朝から調子がわるくて繋がらないのよ…」
「Oh, that's terrible. 」
(あらら、それは災難ね)
イライラしながら携帯をいじるジョディ。
このご時世で携帯が使えないのはさぞかし不便だろうな。
「なら、ボクの携帯しばらく貸してあげるよ!」
そう言って、自分の携帯を差し出すコナンくん。
「いいの?でも、携帯無いと困るでしょ?
それに、メールとか電話番号とか入ってるだろうし」
「大丈夫だよ!ボクもう1台持ってるし!
それに、ボクのSIMカードを抜いてジョディ先生のSIMカードを差せば、先生の携帯になっちゃうから!」
「ありがとう!じゃあ使わせてもらうわね」
そうしてジョディはコナンくんから携帯を受け取った。
すごいな、最近の子はそんな事まで知っているのか。
というか、なぜコナンくんは携帯2台持ちなんだ?
片方はゲーム用とか?
「けどさ、不思議だよねぇ?
外見は全然違う変わった形なのに、中身はよーく知ってる慣れ親しんだ元の携帯だなんて!」
外見…中身……慣れ親しんだ……
コナンくんの言った言葉で、私の中で今全てが繋がった。
「ふっ、なるほど。
私がキャメルさんを勘違いしたように、見た目で判断してはダメってことね」
そう言って、私はジョディにウィンクをした。
「Oh, thank you! (ありがとう!)
お陰であのメモの謎が分かったわ!!」
どうやら、ジョディも気付いたようだ。
「あの、盛り上がっているところ悪いが…おじさんにもわかりやすく説明をしてくれんかね?」
「じゃあ教えてあげるよ!
1発で犯人が分かっちゃう、取っておきの呪文をね」
そう言ってコナンくんがニヤリと笑った。
______
「目暮警部!準備が整いました!」
ある部屋に並べられた4つのイス。
その前にそれぞれ立って並ぶ4人の容疑者。
そう、これからコナンくんによる魔法の呪文で犯人が炙り出されるのだ。
「コホン、
それでは4人揃ったところでまずは……
しらんぷり!」
顔を赤らめながらそう言い放った目暮警部。
そうして、ある人間以外は全員、イスに着席した。