第13章 鳥取…?
「なんすかそれ!!超サイテー男じゃないですか!!」
そう叫びながらグイッとビールを飲み干す由美。
「すみませーん!生1つ!!」
だからどんだけ飲むんだよ。
「私の話はいいからさ、佐藤の話聞かせてよ!
今日高木くんになんか言われたんでしょ?」
「あー、実は肩を掴まれながら『僕と、こん…』って何か言いかけてたんですけど、何て言いたかったんだと思います?」
そら『僕と婚約してくださいだろ』バカタレが。
鳥取に行く前に自分のモノにしちゃおうとか思ったんだろうな。
私のせいで渡せなかったけど、指輪も用意してたし。
たく、可愛いヤツめ。
高木くんには是非頑張って欲しいな。
しっかし、佐藤の鈍感さには本当に驚かされる。
こいつ、庁内でファンクラブができるほど人気があるって自覚無いんだろうな。そりゃ、こんなに美人で可愛けりゃみんな好きになるわ。私も佐藤のこと大好きだし。
高木くんとも順調(?)みたいだし、幸せんもがこんにゃろ。
あー、なんか虚しくなってきた……
「すみませーん!私も生追加で!!」
「おっ!今日は飲みますね〜さん!」
「飲まなきゃやってられないっての!」
「え、ちょっと、2人とも飲みすぎないでよ!!」
___数時間後
「わたしはぁ!さとーにしあわせになってほしぃのーー!!」
「分かりましたってさん!!」
「すぅみませっ〜ん!なまもう一本くださぁ〜い!!」
「飲みすぎだって由美!!」
「なんだってぇ??みわこ!あんたはかわいすぎなのよぉ!!」
「かわい〜ねぇ、さとーはほんとにかわいぃ!だいすきっ!」
「もーー2人ともーーー!!!」
状況はカオスと化していた。
腰に抱きついて離れないと頭をこれでもかと撫でまくる宮本。
酔っ払い2人に挟まれた佐藤は、恥ずかしさと鬱陶しさで爆発しそうになっていた。
「…あの、大丈夫ですか?」