第1章 監督性は竜胆に触れる。
真っ白で、透明感が強い肌、潤った唇、ふわふわな白銀の髪、長いまつげ。顔全体を見ても彫刻なんじゃないかと疑うくらい整っていたが、その子供は確かに生きている。
少なくとも、監督生はそう感じた。
監督生「、、、ずっと、寝てたのかな、、」
それは、いまにも動き出しそうに眠っていた。
否、今動き出した。
監督生「うわ?!」
グリム「どうしたんだゾ、って、ううう動いたんだゾ?!」
『…』
雪のような子供は、虹色の瞳だった。
虹色の瞳を持つ子供は、しばらく監督生をみつめ、こう言った。
『…からっぽ。』
鈴を転がすような、小鳥のさえずりのような、そんな声だった。すぐに消えて、どこかへ行ってしまいそうで、監督生は思わず手を伸ばした。
監督生「どこにも、行っちゃだめ。」
『…』
監督生「、、、、、あ、ご、ごめんね!急にこんなこと言って、、、。」
『じゃあ、お前が俺を連れてって。』
監督生(いいよって言ったものの、、、どうしよう。)
監督生はあまりの寒さに、あまり考えて行動できず、直感的に子供の言葉に肯定の返事を返したが、今になって困惑していた。
監督生(柱はもう一度竜胆の花に触れたら元に戻ったからいいけど、、、この子はどうにもならないよね、、、)
『…』
監督生「、、、あの、名前、聞いてもいいかな、?」
『…ベリアル』
監督生「そっか、、ベリアルちゃんか。』
『(-"-)』
監督生「、、、?違った?」
『コクコク』
監督生「、、、どこが?」
『…』
監督生「、、、」
『…ちゃん』
監督生「、、、あ、男の子?」
『…ん。』
監督生「ご、ゴメンね、間違えちゃって、」
『許す。』
グリム「なんなんだゾ、こいつ。」
『…』
グリム「、、、な、なんなんだ、ゾ?」
『…ねこ?』
グリム「な、俺様は猫じゃないんだゾ!!グリムなんだゾ!」
『…グリム』
グリム「そうなんだゾ!これからは、お前のことを子分に、って、わあ?!な、離せ!」
ベリアルがグリムを抱き上げた。
グリム「は、離すんだ、ゾ、、、グウ。」
監督生「え、寝た?!」
『…』
監督生「…あ、とりあえず、寮に行こうか。」