第6章 温もり
ダメだ、泣いてしまいそうだ。
刀(ヒト)の温もりは、こうも優しく暖かい。
あの家では、考えられなかった。
優先順位は全て下。
いつも妹ばかり優先。
全部妹と比べられる。
バイトをしても当たり前でしょ。の一言。
妹は学校にも行かず、
家でゴロゴロしてるのに、
なんで?
「..じ..!..るじ!..あるじ!!」
『..っ!ご、ごめん!どうしたの?』
昔のことを思い出していたら、
加州が来ていたことに気づかなかった。
「大丈夫?って、大丈夫なわけないか。ごめんね。よしよし。」
謝らせたいわけではない。
なのに、何も言えない私。
謝らなければならないのは、私の方だ。
主。そう言われ顔を上げると、
_____ちゅ
「大丈夫だよ、主には俺たちが居るでしょ。」
そう言ってウインクをする、加州。
そっと、自分の唇をなぞる。
「主、顔真っ赤。可愛い。」
『っ、んな!加州の方が可愛いし..。』
刀剣達(ミンナ)には助けられてばかりだな...。