第5章 山姥切国広
山姥切side
寝起きで、全く動きそうになかった主。
俺は、箪笥から服を出そうと探していると、
___ぎゅっ
背中に温もりを感じた。
「どうした。」
『無理..。』
主に向き直り、抱き締め返した。
「大丈夫だ、アンタには俺が..俺たちがついてる。」
先程より強く抱きしめられた。
「そろそろ行かないと、燭台切たちが心配する。」
『お腹、空かない..。』
主は、過度なすとれすを感じるとご飯を食べようとしない。
普段はちゃんと食べてくれるからいいんだが..
「...分かった。燭台切に伝えてくる。」
『ごめんね。』
「アンタが悪いわけじゃない。だから気にするな。」
そう言い、頭を撫でるとそっと離れる。
主は、すぐ謝ろうとする。
何も悪くないのに。