第19章 少女と刀
「...あるじさま..。」
急に声を掛けられ、思考回路を現実に戻す。
「っ..ど、どうしたの?」
ぎこちない笑顔ながらも、無理して笑う審神者。
「ぼくと、きりくにはいつでもまってますからね...!」
そう言って走り去っていく一振りの刀。
純粋な目を此方に向けていた。
審神者は、その目がどうしようもなく苦手だった。
罪悪感に潰されそうになるからだ。
そして、ある決心をする。
後日、審神者は初期刀と初鍛刀を部屋に呼んだ。
「二人とも、実は━━━━━━━━。」
意を決して、二振りに役人に言われたことを告げる。
二振りの目は動揺隠せずに居たが、
次第に決意をした。
この審神者は、自分たちの手で護らねばと。