第17章 役人
朝霧side
『お久しぶりです。』
「嗚呼。...その包帯、またやったのか。」
『っ...。』
流歌は何も言えず、下を向く。
別に怒ってるわけではない。
言うなれば仕方の無いことだ。
咎めても仕方ない。
これでも収まって来た方だ。
ここに来た当初は、本当に酷かった。
「怒ってはいない。今日はそんなことじゃなく、もっと大事な話がある。」
本当は、もう少し早めに来る予定だったが、
何せ、政府はブラックも同然。
わかりやすく言えば、
介護職の人みたいに
一人で十人ほどの
審神者の本丸担当をしなければならない。
俺は、まあでも少ない方で、五人の審神者を請け負っている。
が、そんなことはどうでもいい。
「早速本題に入るが、お前の妹がここに見習いとして来る。」
妹という言葉で、顔を歪める。
「俺が、不甲斐ないばかりにすまない。」
頭を下げた。
本当に申し訳なさでいっぱいだ。
『...顔を上げてください。朝霧さんは悪くないですよ。』
力なく笑う彼女。
胸が痛んだ。