第14章 私のヤリカタ
一期side
薬研と談笑しながら、薬研が普段居る医務室へと行く。
すると、そこには、主殿が何かを探していた。
お声をかけると振り向き、
辛そうな顔を此方へ向ける。
そして、ガーゼと包帯を持って部屋を出て行こうする主殿の腕を薬研が掴む。
薬研は吃驚した顔でバッと腕を離す。
何故、すぐ離す?
『...ごめん..。』
小さく呟き、主殿は部屋を出て行った。
「やげ..!どうしたんだい!その手は!」
薬研の手には大量の血がついていた。
「...。」
私の問いには答えず、
何かを考えていた。
そして、すぐ何かを持って主殿を追いかけていった。
無力な自分が憎い。
私には、出来ることが何一つとしてない。
主は、悲しい目をしていた。
なのに、何も出来なかった...。
「...一期なにしてんだ。」