第14章 私のヤリカタ
薬研side
いち兄と医務室に戻ると、部屋には大将が居た。
声をかけると此方へ振り向き、腕を隠す様に後ろで組む。
嘘をつくには下手すぎだ。
そこにあるのは、ガーゼと包帯。
そして、嘘をつく大将に悲し声色で呟くいち兄。
その、いち兄に顔を歪める大将。
そんな顔をしないでくれ、俺っちたちは大将が心配なんだ。
『ごめん、この二つだけ貰うから。』
「待て、たいしょ...!..」
そう言って、ガーゼと包帯持ち、颯爽と部屋を出ようとする大将の腕を掴んだ。
___ベト
俺は驚愕した。
大将の腕は紅く染まっていた。
そして、俺っちの手もまた、紅く染まっていた。
何に使うか聞こうと思ったが、
聞かずとも分かってしまったのだ━━━。