第14章 私のヤリカタ
なんとか誰にも合わずに、薬研の部屋までこれた。
襖は中が見えないデザインのためそっと、襖を開け中の様子を見る。
誰もいない様子だ。
それに安堵し、部屋に入る。
医学に関する書物が沢山ある中、
包帯とガーゼが入っている棚を探す。
「...大将、そんなとこで何してんだ。」
急いで振り返ると、薬研と一期が居た。
━━━━━━━━━まずい。
『ごめんね、ちょっと包帯欲しいなー。なんて。』
割れながら苦しい言い訳だ。
だが、流石に自分で"切った"とは言えない。
ましてや、守刀である彼には。
「主殿...。」
一期は悲しい目を向ける。
━━━━━━━━━━止めて、そんな目で見ないで。
同情してほしいわけじゃない。
これが、私の"ヤリカタ"なの。