第10章 倒れた主
薬研side
___ドタドタドタ
バッ___
「廊下は、走るなっ...て長谷部の旦那じゃねぇか。珍しいな、どうしたんだ?」
「っ..ある、じが...」
廊下を走っていた犯人は、長谷部の旦那だった。
でも、様子を察するに大将が関係しているようだ。
「!..すぐ行こう。」
審神者部屋に着くと、
ぐったりと布団の中に寝かせられていた
大将がいた。
すぐに脈を測る。
「...脈は正常だな。ちょっと失礼するぜ。」
そう言い、服の中に聴診器を入れた。
「...呼吸も正常だな。にしてもなんで急に、倒れたんだ?」
「俺もわからん。もしかして、朝餉を食べなかったのが原因か..?」
「前もちょくちょく食べなかったことあるが、倒れることはなかったからな..。」
前々から拒食気味なのは知っていた。
でも、倒れるのは今回が初めてだ。
それもあってか、皆も動揺している。
今剣に関しては、
初鍛刀であり、
切国の旦那と同様事情を知っている為か、
自分を責めているようだった。
「...様子を見るしかないな。」
「..嗚呼...。」