第88章 ☆ その後 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
猫は守り石から手を離し
手に持って浮かんで俺に差し出して来た
嚇母)“はい。とりあえず終わったよ…そんな話よりイアンとか言う奴の方が気になるんだけどー”
猫から守り石を受け取り礼を言おうと思ったのに
礼に言う前に猫はクロガネ屋に目を向けた
シャチ)「あ、なんか今の言い方アヤみたいだった!」
嚇母)“まぁ僕は半分アヤみたいな物だからね”
「「「?」」」
嚇母)“気にしないで…それよりイアンだよー”
シャチ)「気にしないでって…」
イッカク)「…気になる」
確かに気になるが…
クロガネ屋は猫に向けていた視線を逸らして
ため息混じりに口を開いた
クロガネ)「…はぁ…まぁええわい…イアンなぁ…あいつの話はかなり長いからめんどいんじゃが…」
ロー)「…」
クロガネ)「そう睨むな…ちゃんと話すわい…黙って聞いとれよ」
「「「…」」」
クロガネ)「あれは…アヤが15じゃったか…あの時のアヤは違う名前じゃったが…まぁそれはええじゃろ。当時のアヤは情報収集とかを専門にする部隊の隊長だったんじゃ…ある日アヤの部隊に1人の若い男が入隊したんじゃ。そやつが《イアン》じゃ。入隊してすぐの任務で助けられたらしい…それからじゃったかのう…アヤとイアンが仲良くなって共に行動するようになったのは…」
シャチ)「え、カカシって人は?」
イッカク)「黙ってて!」
クロガネ)「…カカシはカカシで、その時は別の隊の隊長でな…家でもすれ違いが増えて行ったんじゃ」
嚇母)“ふーん”
クロガネ)「…アヤとカカシがすれ違いが続いている時、事件は起きた」
ロー)「事件?」