第88章 ☆ その後 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
嚇母)“まぁ難しく考えなくていいよ…口寄せの動物になってからは、術者が死んだらまた別の術者…口寄せしてくれる人が出てくるまで自分達の世界で待つんだ…アヤに会うのだって5年ぐらいかかってる”
ロー)「…それは、アヤの前の術者が…死んで5年か?」
嚇母)“…少し、違う…けど、まぁそんな感じだよ…アヤの前の術者が死んじゃって…僕は待つしかなかった…契約する前からアヤには会ってたんだけどね。その時は色々あって、契約してない”
ロー)「……生きるつもりのない奴と契約したって意味が無い…だったか?」
俺の言葉に猫の目が一瞬揺らいだ気がした
嚇母)“…そうだよ…だから契約しなかった”
クロガネ)「…それはアヤの事か?」
嚇母)“…そう…アヤに初めて契約を持ちかけられた時…僕はそう感じた…だから契約しなかった”
クロガネ)「…生きるつもりのない奴か…」
嚇母)“今のアヤはそう思ってないから大丈夫だよ。何がなんでも《生》にしがみつく。だってアヤが死んだら僕も死ぬんだから。それに君達を残して死なないって言ってたし”
ロー)「…死なせねぇよ」
クロガネ)「…確かに、自分以外の命もかかってるとなると…あいつは生にしがみつくな」
ロー)「…そうだな」
俺達はそんな話をしていた時
シャチ達が大人しいのに気付いて横目で見れば
固まっていた
シャチ)「…話についていけない」
イッカク)「って言うか、入れない」
ペンギン)「って言うか、口出しちゃいけない気がする」
ベポ)「…難しい」
ジャンバール)「…確かに…難しいな」
そんなシャチ達に気付いて猫は少し呆れたように話た
嚇母)“…聞き流してくれていいよ…そんな重要な話でもないからね”
クロガネ)「だいぶ重要じゃと思うが」