第88章 ☆ その後 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
眺めていれば猫は小さくため息をついて顔を上げた
嚇母)“こっちより話しの続きを聞かせてよ”
クロガネ)「…それが終わってからでもよかろう?」
嚇母)“…見てても楽しいもんじゃないと思うけど…まぁ好きにしなよ”
猫がまた守り石に視線を戻したから
俺達もまた眺めていた
ベポ)「なんか、ネコさんは雲母達とは違うんだね」
嚇母)“…まぁ、口寄せも色々いるからねー”
シャチ)「…嚇母、さん…は、なんで浮けるんすか?」
嚇母)“…なんでさん付け?別に、嚇母でいいんだけど…”
シャチ)「あ、すんません」
嚇母)“…なに?なんなの?”
シャチの反応に猫は少し不機嫌そうな…呆れたような顔を上げた
シャチ)「…なんか、年上感が…凄いって言うか…」
嚇母)“まぁ僕は100年ぐらい生きてるからね”
「「「?!」」」
ベポ)「え?!ネコさん長生きだね!」
嚇母)“まぁ、口寄せでも色々いるんだよ。他の口寄せは何とも言えないけど、雲母でも70年は生きてる…猫の命は9つあるからね”
イッカク)「…衝撃…」
嚇母)“こっちとあっちでは時間の流れが違うし、なにより口寄せになってからは、あまり死っていうのに囚われなくなったから”
死に囚われなくなった?
猫の言葉に眉が寄った
ロー)「…どう言う事だ?」
猫は一瞬俺に目を向け
すぐにクロガネ屋に視線を向けた
嚇母)“僕達の…口寄せの説明をしてないの?”
クロガネ)「…そこまで詳しく話さんでもええと思ってのう…アヤも話とらん」
嚇母)“…なるほど…まぁ確かにね”
ロー)「…説明してくれ」