第86章 ☆ 決着! ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
《誰も殺すな。俺は殺戮を好まない》
俺はアヤにそう言った
時と場合によるが
今のこの状況で
アヤにあの忍者の女を殺させたくなかった
そんな事で、アヤの手を血に染めて欲しくなかった
例え…他の世界で人を殺していても…
この世界で…俺の前で…俺のいない所で…
その想いが届いたのか
それとも元々殺すつもりがなかったのか分からないが
アヤはあの忍者を殺さなかった
アヤのあの『黒炎』とか言う技
器用な事に忍者を避けて、忍者の周りの岩や地面を抉っていた
忍者の目の前で止まるアヤの刀
俺は小さく息を吐いた
アヤはゆっくり体を動かし刀を退けた
【「…これであんたは負けた…カカシの事忘れるなりなんなりして新しく生まれ変わったら?別に世の中の男がカカシしかいない訳じゃないでしょ?あんたも視野を広げたら?意外と近くに転がってるかもよ?んじゃばいばーい」】
アヤはそれだけ言うと
忍者に背を向け手を振ってその場を離れた
でんでん虫からはさっきより息が上がっているように聞こえた
もう限界が近いのだろう