第83章 ★ 冥母 ★ 夢主視点 ★ ① ★
冥母)“…あ、主、様…大好き…主様とこれからも一緒にいたい…主様…”
「泣かないでいいよ…うん…ほらおいで…」
私はゆっくり右手を伸ばし
冥母の額に手を当てたら
冥母はゆっくり目を閉じ
私の手に吸い込まれるかのように
冥母の体は直刀になった
それを見ていたベポは声を上げた
ベポ)「え?!剣になった!」
「…直刀霊毀『冥冥』…これが冥母の本当の姿なんだよ…」
嚇母)“…”
ベポ)「…」
「この姿を見るのは久しぶりだな…頑張ろうね…冥母」
私は刀の峰の所に頭を寄せた
ベポは困惑しながら…少し眉を寄せていた
ベポ)「…その剣…変な感じがする」
ベポの言葉に私は顔を上げて刃に触れた
「だろうね…この刀は…『呪術の篭った呪いの刀』…持ってるだけで人の生命力を吸い上げる…その変わりに力をくれるんだけど…冥母はそれが制御出来なくてね…今までの所有者は力を吸い取られすぎて死んだんだ…この子は『死をもたらす呪物』として消させそうになってた所を私が貰ったんだけど…冥母のトラウマか、なかなか扱いが難しくて…猫の姿なら問題ないんだけど…私以外の人間が駄目になった」
私の言葉にベポは慌てる
ベポ)「え?待って。今、アヤは平気なの?!」
「平気じゃない…吸い取られてるよ」
ベポ)「え?!」
嚇母)“大丈夫だよ…だから僕がいるんだ”
私が素直に平気じゃない事を伝えれば
ベポは慌てだしたが
嚇母が治してくれた怪我を庇うように左肩に乗った
私は嚇母の頭を一撫でした