第83章 ★ 冥母 ★ 夢主視点 ★ ① ★
「…殺されたいらしいな」
驚きのあまり反応が遅れて
思わず低い声になった
般若は笑いながら私から離れた
般若)〘僕は式神だからこの子が死なない限り死なないよ〙
「…さっさと行け」
般若)〘守ってくれてありがとう。頑張ってね。ご馳走様〙
般若はそう言うと女の子に横抱きにして姿を消した
私は般若達が消えた方を睨むように見つめていた
…気まずい…
後ろではベポ達がボソボソっと話していたのが聞こえた
「…」
ベポ)「…今の、キャプテン怒る?」
嚇母)“…どうだろう…まぁ霊体とは言えいい気はしないんじゃない?”
「やめて。怖いから」
見えてるって言ってたよね…
やばくない?
ベポの言う通り…怒るかな…
あ"ー
さっきとは違う意味で覚悟を決めないと行けない気がする
くそー
そんな事を考えていたら…
少し怯えた声で…呼ばれた
冥母)“…主様…”
そうだ
それは後で考えよう
今は
今やるべき事を考えよう…
あわよくば…ローが見てない事を願って
私はバチンッと自分の頬を叩いて気を引き締め
冥母に体ごと向き合って笑って見せた
そして優しく声をかける
「冥母」
冥母)“…”
「もう怯えなくていいよ…私は覚悟を決めた…あなたを使う覚悟…ここで負ける訳にはいかないの…あなたは私の子…何があっても、私はあなたを手放さないよ…私は準備出来た…おいで…一緒に頑張ろう」
言いたい事がありすぎる…
ゆっくり優しく話してるからか
冥母は私の言葉に涙を溜める