第83章 ★ 冥母 ★ 夢主視点 ★ ① ★
嚇母の言葉に…理解が追い付かなくて
頭の中をずっとリピートしていた
なんか…私の周りだけ時間が止まったような感覚になった
いやいや、そんな事ないから
瞬きして…嚇母の言葉を理解した時には
少し時間が経ってしまった
「…ん?ちょっと待て。その言い方だと私妊娠したみたいになってない?!私妊娠してないから!変な事言わないで!」
嚇母)“は?何言ってるの?僕との契約の話だよ”
「絶対わざとだ」
わざと、と言った感じで
嚇母は小さく舌を出して、ベッ、ってしていた
そんな嚇母に
じとーと言った感じの視線を送れば
嚇母はまたため息をついて私に視線を戻した
ため息付きすぎじゃない?って思っていれば
嚇母)“僕との契約は感覚や記憶・時間などの全てを共有する物。君が死んだら僕も死ぬんだ。いい加減理解して。君は僕も殺したいの?…夢に関しては体にまで影響してきてる。僕と契約したからには見過ごせない…こうでもしなちゃ言わないだろ?”
あまりにもいつもと同じように言うから
思わず少し目を見開いてしまった
《君は僕も殺したいの?》って…
「…そんな言い方はずるいな…はぁ…ベポ…ローに…皆に伝えて」
ベポ)「…何?」
「…待っててって…終わったら…これが終わったら…おかえりって…言って欲しい…少し時間がかかるだろうけど…話すから」
ベポ)「…」
嚇母)“…決めたの?”
「…覚悟を決めろって言ったの、そっちでしょ?…うん。決めたよ。まだ、少し怖いけど…私はここで死ぬ訳にはいかないもの」
ベポ)「アヤ…オレも頑張るよ。アヤを守るよ」
「もう守って貰ってるよ…ありがとう」
嚇母)“なら冥母に会いに行こう…あの子も待ってる”
そう言って3人で移動を開始した
先に嚇母が飛んで行って
ベポは、
動こうとしなかった…少し震えていた私の手を取った
ベポに繋がれた手を見たあと
顔を上げれば
優しい顔をしたベポが見えた
そして手を引かれながら歩いた