第83章 ★ 冥母 ★ 夢主視点 ★ ① ★
「…くそー…この通信機…くそー…ジジィ狙ってたな…くそー…あ、そうだ。忘れてた」
私はジジィの言葉に頭を抱えていたが
ある事を思い出して立ち上がったらベポが驚いた
ベポ)「アヤ!動いちゃダメだよ!」
「大丈夫大丈夫!これは痛いのを隠してるとかじゃないよ。本当に大丈夫だよ」
ベポ)「…痛くないの?」
私が笑って見せればベポは眉を下げて首を傾げた
そんなベポを見て嬉しいと思ってる自分がいる
心配かけといて…馬鹿だな、私
「…本当に優しいね。ありがとう。今は痛くないよ」
嚇母)“僕が治してるからね。心配しなくていいよ”
嚇母の言葉にベポは少し安心したような顔になった
私はそんなベポを見た後
辺りを見渡した
「…それより…あの子はどこ?」
ベポ)「あ、それなら…」
嚇母)“冥母が守ってる”
「え?」
冥母が守ってる?
私は驚いて嚇母に目を向けた
嚇母は真剣な表情で私を見ていた
嚇母)“冥母は覚悟したみたいだよ”
「…」
嚇母)“アヤ…あんたもそろそろ覚悟を決めな。冥母だけじゃない。夢の話もだ…”
「…」
嚇母の言葉に…俯いてしまった
嚇母は私の反応にため息をついて
私の目の前に飛んで来たから嚇母に目を向けたら
腕を組んで呆れた顔をしていた
嚇母)“もうその体は君だけの物じゃないんだよ?”