第83章 ★ 冥母 ★ 夢主視点 ★ ① ★
嚇母)“…はぁ…ベポだっけ?ちょっと彼らに伝えて欲しいんだけど…”
嚇母の呆れたような声を聞き流そうと思ったんだけど
聞き逃せない言葉が聞こえて思わず横にいた嚇母を掴んた
「ちょっと待てぇい。何言うつもりだ?」
嚇母)“何って…僕は医療忍術が得意だから、とりあえず今の怪我は傷跡残さず綺麗に治してやるって事を伝えようかと…”
「おぅ!さすが」
嚇母)“…ついでにアヤが秘密にしてる事を話してやるよって…”
嚇母はいい子だなーって思って感心していれば
小さくボソッと呟かれて反応が一瞬遅れた
「…へ?いやちょっと待て!何言ってんの?!」
ベポ)「聞こえてるって!分かったって!アヤにも伝言だよ!」
ベポはウキウキしながら嚇母と私に目を向けてきた
「伝えるの早いな!うぅ…聞きたくない…けど…聞かないと…余計に怖い…何?」
半分諦めてベポに問えば
ベポは通信機を抑えるように耳に手を当てていた
ベポ)「キャプテンが『覚悟しとけよ』って…後、クロガネのおじいちゃんからは、えっと『黙っとったがお前らに渡した通信機は切ってもこっちに聞こえるから意味無いし、壊れてても聞こえとったぞ。後ちゃんと見えとるぞ』って…え?聞こえてるの?!」
「は?!え、じゃ…今までの会話も?!嘘でしょ?!私何話した?思い出せー。私なんかいっぱい喋ったような…思い出せー」
ジジィが黙ってた事実に思わず頭を抱えた
嚇母)“馬鹿だね”
「おーのー」
嚇母)“…まったく”
嚇母は何度目か分からないため息をついているが
ため息をつきたいのはこっちである