第83章 ★ 冥母 ★ 夢主視点 ★ ① ★
「…また?」
この女…またって言った
またってなんだ?
《また殺してやる》
私が死んだのは…
あの雨の中の…滝に落ちた時…
私は眉間に皺を寄せ記憶をたどった
滝に落とされて…
落ちながら…目を…閉じる前…
一瞬見た…敵の目
ムエ)「あら覚えてないの?あんたの背中を斬って滝から落としたのは私なんだよ!」
「…」
あぁ…私はなんて馬鹿なんだろう
なんで…忘れてたんだろう
あの時…数人の敵の忍に見下ろされていて
忍達はお面を被っていたが…
そのうちの一人が…
少なからず私は動揺していたんだろう
目を見開く私の反応を見て
小馬鹿にするように
ムエは笑いながら言葉を続けた
ムエ)「あん時のあんたの顔、傑作だったわ!痛みに歪む顔!血を吐いて、もがいてるあんたは死にかけの子猫みたいだったわよ!あれ程笑ったことは無い」
「…そう…良かったねー」
ムエの言葉に驚いたが…そう…
そういう事なら…
私はムエの言葉を聞きながら
ゆっくり目を閉じると同時に俯いた
笑いが出る
そんな私の反応にムエは納得いかなかったのか
低い声で…殺気が飛んでくる
恐らく睨んでるんだろうな…
ムエ)「余裕ぶっこきやがって…殺してやる」
「ふふっ…カカシ以外の事であんたみたいな人に用が出来るとは思わなかった…それなら話しが変わってくるわよねー」
ムエ)「…今度もちゃーんと殺してやるよ」
「そうだね…不本意だけどあんたには感謝してるよ」
ムエ)「感謝?」
「あの時…あんたに斬られてなかったら私はここにいない…こんな素敵な世界に来れたのは、ある意味あんたのおかげよねー…だから…今度は私があんたを斬ってやるよ。感謝しろよ?」
俯いていた顔を上げて
挑発するように笑って見せれば
羽虫でも潰したかのような顔された
ムエ)「…舐めるなよ…手負いのあんたなんて!リア!」
そして
泣き止んだオフィーリアも戦いに加わった