第78章 ☆ 他人の記憶 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
【?)「…知りたい?」】
【「なにを?」】
【?)「自分の知らない自分の記憶」】
【「興味無い」】
【?)「なんで?知りたくないの?あなたの故郷や家族、友達とか恋人、親…本当の自分だよ?」】
小さなため息が聞こえた
アヤが入ってる女は足を止めて
アヤの体に体ごと振り返った
【「…子供の私に恋人って想像したくないんだけど…」】
確かに…
【「はぁ…私の故郷は木の葉の里だし、家族は木の葉の里の人達とハートの海賊団、友達はお姉さんみたいなイッカクや一緒に悪ふざけしたくなるシャチ、お母さんみたいなペンギン、可愛いから思わず抱きしめたくなるベポ、今は亀だけどー。後は怖い顔してるけど本当は優しいジャンバール…あぁ、嚇母って言う猫とも最近友達になったな。恋人はローがいるし、この先ロー以外欲しいとも思わない。私の親も、あのクソジジィただ1人…それに私にはもうアヤって名前がある…それ以上いらないよ。私には手に負えない」】
はっきりそう言い切ったアヤに思わず目を見開いた
さっきと違う意味で…
それは俺だけじゃなくてここにいる全員同じような顔をしていた
イッカク)「アヤってそんな事思ってたんだね」
シャチ)「これ、後で恥ずかしくなるやつだな」
ペンギン)「確かに。俺達が聞いてるって知らないもんな」
ジャンバール)「通信機壊れたと思ってるからな」
「「…」」
【「それに…あんたが私の記憶を見て面白がって言うのは別に構わないけど…他人の口から聞く自分の記憶なんて、所詮他人の記憶と変わらないんだよ。私には確かめようがないもの。だから興味無い。あんたが見てる私の過去にも…私の、自分の知らない記憶にも…だからどうでもいい。私は今ある記憶で充分だもの」】
少し声を低くして言ったアヤ
怒っているのが分かる
画面ではお互い睨むように向き合っていた
ベポは雰囲気が変なのを感じているのかずっと黙ってた