第77章 ★ 他人の記憶 ★ 夢主視点 ★ ① ★
?)「…ねぇ…」
「あぁ?やっとお喋りする気になったの?」
移動しようとしたら声をかけられたから
足を止めて視線を向けたら
俯いていた顔を上げて私を見ていた
?)「なんであなたはアヤなの?偽名なの?」
「…は?偽名?」
?)「あなた…アヤじゃないでしょ?」
「…」
亀(ベポ))「何言ってんの?アヤはアヤだよ」
?)「…だって…子供の頃、違う名で呼ばれてるじゃない」
「は?」
?)「え?銀髪の青い目の女の人が…あなたのことを…」
よく聞こえなかったと思いたい
でも目の前の
私の口から聞いたその言葉は
何故か
私の心をざわつかせた
昔に1度だけ見ようとした…私の記憶…
それを見ようとしたら体が拒否して
…それを師匠に言ったら
『見たら駄目』って言われたから忘れてたけど…
亀(ベポ))「何?なんて言ったの?」
ベポの声を聞いて体が少し跳ねた
現実に戻ってきた…みたいな
ベポには聞こえてなかったのか
少し…安心した
「…驚いた…」
?)「え?」
「…あんたには…それが見えるのか…」
?)「…何言ってんの?」
「…私はそれ見れないんだよ」
?)「え、何言ってるの?…自分の記憶なのに見れないの?」
「見れない…体が拒否してるんだって…へー。自分の中に他人が入ったら見れるのか…へーそっかそっか」
私は視線を外して歩き出した
大人しく着いてきていたのに
しばらくして後ろから声をかけられた
?)「…知りたい?」
「なにを?」
?)「自分の知らない自分の記憶」
「興味無い」
?)「なんで?知りたくないの?あなたの故郷や家族、友達とか恋人、親…本当の自分だよ?…」
この人は何を言ってるんだろう