第76章 ☆ 余興 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
【「…ベポ…そんな目で私を見ないで」】
アヤの少しため息混じりの声が聞こえ
後ろで話していた奴らもでんでん虫に目を向けた
クロガネ屋はずっと黙っていた
【亀(ベポ))「…オレの体…どうなるの?」】
【「んー。とりあえず今すぐ戻れるか分からないけど…私が戻してあげるよ」】
【亀(ベポ))「戻り方知ってるの?」】
【「ふふっ。ベポー。私は忍だよ?忍はなんでも出来るんだよ。とりあえず先に私の体を戻してからベポの体も戻してやるよ。大丈夫。任せなさいな」】
自分も不安だろうに
不安を隠すように喋ってるアヤに
気付いてないのかベポは嬉しそうに
「アヤの笑い方だー」と言っていた
【「ここにいても始まらない。どこに向かおうかね。とりあえずローからの連絡待ちか?」】
でんでん虫に向けていた視線を画面に向ければ
アヤが入ってる女は
亀を頭に乗せ立ち上がって足に付いた砂を払ったり
服を何かしていた
破いているようにも…見えるが…
まぁ、それはいい
俺は少し眉を寄せて
でんでん虫に向かって声をかけた
ロー)「…アヤ」
【「ん?何?見つけたの?」】
声は違うが…喋り方がいつもと一緒に聞こえる
ロー)「…お前は大丈夫なのか?」
【「…」】
まさかそんな事を聞かれると思ってなかったのか
小さく息を飲んだ音が聞こえた
そして小さく名を呼ばれた