第76章 ☆ 余興 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆

それから程なくしてアヤが起き上がった




いち早く気付いたシャチがでんでん虫に向かって声を上げた








ｼｬﾁ）「アヤ！おい！大丈夫か？！」

【「…」】






でんでん虫からアヤの返事が聞こえず
画面を見ればアヤは通信機を外して落とした






「「「外した？！」」」






アヤの行動にここにいる全員が驚いた






ｼｬﾁ）「え？！なんで？！俺うるさかった？！」



声うるさかったから外したと思ったのか
シャチは慌てて



ｲｯｶｸ）「クロガネさんに捨てるなって言われてたのに…あっ！アヤが走って行った！」




心配そうに見ていたイッカクも声を上げた









シャチが声を上げた…それだけで…



そう思っていればペンギンが首を傾げた





ﾍﾟﾝｷﾞﾝ）「様子がおかしくないか？アヤがあの状況で俺達に一言も、何も言わないなんて…」

ｼﾞｬﾝﾊﾞｰﾙ）「確かに…変だな」

ｸﾛｶﾞﾈ）「…」

ロー）「…」





アヤの変な行動に思わず
眉間に皺が寄って画面を睨めば
クロガネ屋も同じような顔をしていた




アヤの画面ではアヤは手当り次第に暴れていた








ｼｬﾁ）「いやいや！あいつ、なんであんなに暴れてるんだよ！」

ｲｯｶｸ）「…日頃の鬱憤？」

ﾍﾟﾝｷﾞﾝ）「イッカク…それ本気で言ってるのか？」

ｲｯｶｸ）「な訳ないでしょ！」




アヤの戦い方に慌てる3人


3人以外は黙って画面を見ていたが…





ｼﾞｬﾝﾊﾞｰﾙ）「…なんか雑だな」





俺はジャンバールと同じ事を思った




ｼｬﾁ）「雑？雑ってなんだよ」




ジャンバールの呟きが聞こえたシャチは
首を傾げていた





ロー）「…アヤの戦い方だ」





俺の言葉にシャチ達は驚いて画面に目を向けた


今まで見てきたアヤの戦い方を思い出しても
こんな戦い方…見た事がない





ｸﾛｶﾞﾈ）「確かに雑だ…この戦い方…まるで別人じゃな」






そんな話をしていた時
目を離していたでんでん虫から女の声がした