第10章 ★ お披露目 * 夢主視点 ★ ① ★
しばらくしたら顔を覆う様に影が出来た
これはアレかな、お兄さんかな
私はゆっくり目を開けて影の正体を見た
ロー)「…てめぇ」
そこには思った通りめっちゃ怒った顔で私を見下ろしてるお兄さんの顔があった
「ふふっ」
予想通りの顔に…思わず笑って顔を逸らしたら更に睨まれた
「なーにー?どーしたのー?」
私は笑みを浮かべお兄さんの顔に視線を戻した
ロー)「てめぇ。なんでここにいる?」
「え?ダメだった?」
ロー)「点滴も勝手に抜きやがって…なんで医務室で寝てないんだ」
「んー。さっき外に出た時に見た海と空が綺麗だったからさー⋯また見たくって。ついでに風も気持ちいいしねー」
ロー)「チッ…勝手に出歩きやがって。大人しく寝てろ」
「だからここで寝てるじゃん」
ロー)「ここじゃねぇ。医務室でだ」
「どうせ寝るならここでもいいじゃん」
ロー)「駄目だ。さっさと戻れ」
「やだよーん。ここがいいの!あ、手枷外してくれてありがとう」
そう言ったらお兄さんの顔の眉間がすごい事になって行く
「もぅ…そんな顔しないでよ。ほら、お兄さんもここに座ったら?」
私は少し頭を浮かせ片手を動かして隣の甲板をコンコンと叩いた
「逃げたと思った?それともなんか用があって来たのかにゃ?」
そう言ってお兄さんの方を見たらお兄さんは無言で隣に座った
しかも…わざわざ私が叩いた方じゃない方に
意地悪かよ