第66章 ☆ 夢 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
「…心配した?」
ロー)「…」
心配しただと
当たり前だろうが
アヤのその言葉にさっきと違う意味で寄った眉間の皺
アヤは俺の顔を見て少し身を縮こませた
「…顔が凄い事になってるよ」
ロー)「誰のせいだ」
「はい。私です。すいません。ごめんなさい」
俺はため息をついた
わざとらしく聞こえるように
「そ、そんな…聞こえる様に…ため息つかなくても」
アヤが少しいじけたように呟いた
俺はアヤがずっとおでこを抑えている手をどかした
ロー)「お前はいつになったら覚えるんだ。少しでも体がおかしかったら言え」
「いや、あの、本当に気付かなくて…ごめんなさい」
アヤが少し泣きそうな顔をして視線を落とした
俺はアヤの頬に優しく触れ上を向かせた
目には涙が溜まっていたし
おでこは少し赤くなっていた
ロー)「痛むか?」
「…おでこ?…おでこより…ローにそんな顔をさせた事の方が痛い…」
ロー)「?」
「…心が…私の心が、ローにそんな顔させたって痛むの…苦しいの…」
ロー)「…それは、俺にはどうしようもないな…」
アヤは手を伸ばし俺の服を握りしめて静かに「…ごめんなさい…」と泣きそうな声で言ってきた
俺は小さく息を吐き顔を上げて
アヤの頬に添えていた手を動かしアヤの後頭部に移動して引き寄せた
なるべく優しく
ロー)「…なんかあったら言え…絶対に」
「…ごめんなさい…」
ロー)「返事」
「…はい。分かった」
ロー)「今度やったら覚えとけよ」
「…なんか前もそんな会話した様な…気がするんだけど」
ロー)「お前が覚えないからだろうが」
「…そっすね…すみません」
俺の服を握りしめていたアヤの手が俺の背に回った