第65章 ★ 夢 ★ 夢主視点 ★ ① ★
ロー)「おい。大丈夫?」
ローの声を聞いて首を傾げながら顔を上にあげた
「ん?え、大丈夫だよ?」
ロー)「…」
「う"ぅ。そんな疑うような顔で見ないでよ。本当に今は大丈夫だから」
ロー)「疑いたくなるだろうが…どうしたんだ?」
ローの言葉にまた視線を落とした
「…覚えてないの」
ロー)「何をだ?」
「…さっきの、夢…いつもは大体覚えてるのに…さっきのは…覚えてない」
ロー)「…」
「この世界に来る前は…いつも…大体似たような夢で…覚えときたくなかったけど…覚えてて…でもこの世界に来てからは…そんなに変な夢見てなくて…たまに見てたんだけど…そんな頻繁じゃなくて…嫌な夢じゃなくて…いい夢も見てて…」
私は必死に伝えようとしていた
なんでこんなに必死なのか…自分では分からなかった
そんな私を黙って見ていたローが「落ち着け」と声をかけてきた
私は視線を上げた
ロー)「ゆっくりでいい。さっきの夢を覚えてないって言うなら特に気にする夢でもなかったんだろ」
「そうなのかな。まぁ思い出せないからどうも出来ないんだけど…ロー…お願い…聞いてくれる?」
私がお願いって言ったからかローが一瞬呆気に取られた顔をして首を傾げた