第63章 ★ 麻薬 ★ 夢主視点 ★ ① ★
私が泣き声で小さくそう言えばジジィは腕に少し力を込めた
クロガネ)「…お前が」
「…」
クロガネ)「お前が先にワシを見つけたんじゃ」
「…え?」
クロガネ)「…お前が木の葉に保護されて…そんなに経ってないのに、お前はワシの前に現れたんじゃ」
「…」
クロガネ)「ワシは死のうとしとった…その時お前が現れて…色々あってワシは生きようと思ったんじゃ…ワシに生きる事を選ばせたのはお前じゃ」
「…覚えてないよ」
クロガネ)「…じゃろうな。ミナトに頼んでお前を引き取るようにしたんはワシじゃ」
「…そうだったんだ」
クロガネ)「…お前が覚えとらんのは分かっとったから言うつもりはなかったんじゃが…お前に言う事がある」
「…な、なに?」
クロガネ)「お前はワシの娘じゃ…この先、何があってもな」
「…」
クロガネ)「…心配させおって…全く」
「…ありがとう」
止まりかけた涙がまた溢れてジジィの服を濡らした
しばらくして涙が止まりかけた時
クロガネ)「…そろそろ泣きやめ。迎えが来たぞ」
ジジィの言葉に私は体を起こしてジジィから離れた
「…迎え?」
私が首を傾げたら頭を撫でられた