第63章 ★ 麻薬 ★ 夢主視点 ★ ① ★
クロガネ)「…帰りたいか?」
ジジィの言葉に私は微笑んで返した
「なんで?私の生きる世界はここだもん。もし帰れるとしても帰らないよ。ここがいい」
クロガネ)「…お前はなんでこの世界に残る事を決めたんじゃ?くま子達に聞いたが…お前、手合わせの報酬で仲間になったそうじゃな」
「くま子…また怒られるよ?」
クロガネ)「ええからさっさと答えんか。お前の世界の全てであるカカシを残してなんでお前はここに残る事を決めたんじゃ?探してもおらんのじゃろ?帰る方法を…仲間になった時にはまだ坊主と関係はなかったと聞いたが」
「…そうだなぁ…確かに仲間になったのは報酬だし、ローとの関係もなかったよ…帰る方法も探してないし…あの時は別に何でも良かったんだ」
クロガネ)「…それだけではあるまい」
「…確かにそれだけじゃない…ってか皆、私は確かに報酬で仲間になったけど、本当にそれだけで今まで生きてきた世界を…カカシやジジィを捨ててまでこの世界に残ったって思ってるのかな?酷くない?」
茶化すように言えばジジィはなんの反応もしなかった
クロガネ)「…なら何がお前を残したんじゃ。この世界に何を感じた?」
…何を…
私は膝を抱き締めるようにして頭を預けた
「…世界じゃない」
クロガネ)「?」
「世界じゃないよ。ローの隣…ハートの海賊団が…私を、この世界に引き止めた…それだけ」
クロガネ)「…」
「私は運が良かった…皆には恥ずかしいから内緒にしてね」
私はそう言って頭を預けたまま視線をジジィに向けて…人差し指を口元に持ってそう告げれば…ジジィは何も言わなかった