第63章 ★ 麻薬 ★ 夢主視点 ★ ① ★
私の呟きにジジィが体を動かした音が聞こえた
顔を上げジジィに視線を向ければジジィは頭を抱えるようにあぐらの上に肘を着いていた
そしてため息が聞こえて顔が私に向いた
「え?何その反応」
クロガネ)「…全く…お前はバカじゃな」
「…仕方ないじゃん…私好きも嫌いもこっちで知ったんだから…私がどう思ってたとか、カカシがどう思ってたとか知らないよ…それに私、夢で会った時『大好きだったよ』って伝えたんだよ。そしたらアイツおでこにキスして消えていった。最後までヘタレだよね」
少し笑いながら言えばジジィは少し眉を寄せていた
クロガネ)「…その話坊主は知っとるんか?」
「坊主?ローの事?言ってないよ?『お別れは言えた』って言ったけど」
私の言葉に更に頭を抱えたジジィ
「なんでそんな反応するの?」
クロガネ)「いや、お前達は…揃いも揃ってバカじゃなと…」
「え?それ私とカカシの事?仕方ないよ。私カカシを見て育ったんだもん。あの時の私は雛鳥みたいだなってよく思う。私が目を覚まして一番最初に目に付いたカカシ…それから私の世界はカカシが全てになった」
クロガネ)「…雛鳥…確かにな…」
私の言葉に納得したのか頭を上げた
「皆がカカシの事好き?とか言うけど違うんだよ。そんな次元じゃないんだよって思う…あの時はカカシが里を守るって決めたから私も守ってた。カカシが戦う事を決めたから私も戦うと決めた。カカシが私に生きる事を望んだから私は生きてた…そう、思ってた…まぁでも自分でカカシから親離れして反対である事を望んでからも思ったけど…カカシは、好きとかそう言うのは教えてくれなかったなって…もしカカシが教えてくれてたら私あっちの世界に帰る方法を死ぬ気で探してたのかな?ってか帰れるのかな?」
私がそう言えばジジィは少し睨むように私に目を向けた