第62章 ☆ 悪友 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
クロガネ)「…バカな娘よ…本当に…そんな事を黙っとったんか。あいつは」
そう言って顔をアヤのいる方に向けた
俺も後を追うように目を向ければ
丁度、アヤがこっちを見て目が合って、ニコッと効果音が付きそうな笑みを向けられ小さく手を振られた
俺は驚いて視線を逸らした
そんな事に構わずクロガネ屋は言葉を発した
クロガネ)「…あいつは…この世界での知り合いは多いんか?」
クロガネ屋に問われ顔をクロガネ屋に向ければ
未だに眉を寄せていた
ロー)「そんなにはいないな。あいつが来て2ヶ月だが、関わった人間はそう多くない」
クロガネ)「…さっき言っとったその感覚ってのは、この世界で初めてと言っておったな」
ロー)「…そう言っていた。実際あそこまで様子が変わったのは初めてだ」
クロガネ)「…そうか」
それから少しお互いに話さず酒を飲んでいた
クロガネ)「…誰にも言った事ないと言っとったな?」
ロー)「…あぁ。言えなかったと言っていた」
クロガネ)「…言えなかった、か…」
クロガネ屋はそう呟いてため息をついた