第54章 ★ 顔 ★ 夢主視点 ★ ① ★
ロー)「…お前…どうしたんだ?急に」
ローはため息混じりに私に目を向けながら呟いた
胸元にあった手はまた顔の横に置かれててローは私の顔を上から見下ろしてた
「…分からない…」
ロー)「…」
「…分からないけど…私…おかしくなってる気がする」
ロー)「…確かに…今日は特におかしいな」
少し呆れた顔をするローでさえ、今の私には綺麗に見えて…
私は空いてる片手でローの顔から隠れるように
自分の顔にのせて目を抑えて顔を逸らした
ロー)「…おい。どうした?」
「…今…ローの顔…見れません」
ロー)「は?」
「…今の私はどうしたのか分からないけど…ローが凄く綺麗に見えるの」
ロー)「は?」
「私おかしいよね…意味分かんないよね…私自身意味が分からないもん」
私が必死にそう言えば耳に届いた小さな笑い声
ロー)「まさかお前からそんな言葉が出るとはな」
私は不思議に思い目を抑えていた腕をどかそうとしたら体が回された
え?
掴まれてる手はそのままで私の体が伏せられた
「…ぇ?」
自分の声にならない声が聞こえて次に聞こえたのは耳元で喋るローの声
ロー)「これなら顔見なくていいだろ?」