第54章 ★ 顔 ★ 夢主視点 ★ ① ★
「私はアヤなの…アヤの前の人生に興味無い」
私がそう言えばローは私の後頭部に手を回してきた
「んっ」
ローの硬い胸板に頭を押し付けられた
状況に着いていけない
ローは少し屈んでて私の頭に顎を乗せて抱き締めた
私はどうしていいか分からず…とりあえず、ゆっくりとローの背に腕を回した
ローは私に記憶を戻して欲しいのだろうか
普通は戻す為に頑張るのかな
戻したいと…思うのかな
「…ロー?」
ロー)「…」
ローの名を呼んでも反応してくれない
まぁ聞こえてるだろうからいいか
「…私は別に…いらない訳じゃないよ…自分の過去…私はあっちの世界でカカシに助けられて…目が覚めて…リンに名前を貰ってから…生まれたんだと思う…アヤって言う名と共に…私は、生まれ変わったんだよ」
ロー)「…」
「だから、別に…無くても、困らないし…」
ロー)「…」
「…こっちの世界のアヤは、更に生まれ変わってあっちの世界のアヤより大人になったよ。色んな意味でね」
ロー)「…そうだな」
…良かった…
やっとローが返事してくれて少し安心した
安心して背中に回している手でローの服を握りしめた