第51章 ☆ 過去〈Ⅱ〉 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
クロガネ)「あいつが暴走すれば崩壊するのは時間の問題じゃ。じゃから師に当たる男《ミナト》は暴走しないように修行を付けたそうじゃ。今では暴走せずに先祖返りを使えるようになったが、ミナトとの約束でそう簡単には使わん。体への負担が凄いからのう。初めて出来た時には1週間は生死をさまよって目を覚まさんかった。今ではそこまでないが」
ロー)「…」
クロガネ)「…まぁ。これがワシの聞いた壬生一族の話じゃ」
ロー)「…それがアヤの知らない過去なのか?」
クロガネ)「…いや違う…今のはアヤの正体と言った方がいいか…今から話すのがアヤの知らん過去じゃ」
ロー)「…」
クロガネ)「アヤが産まれ隠されていたはずの情報が漏れ、壬生の里は何者かによって襲撃された…アヤだけが生き残ったんじゃ。追っ手から逃げてる時に捕まり、連れ去られそうになってた所を、任務の帰り道で通りかかったカカシに助けられたそうじゃ。その時のアヤは縄で捕らえられ目や口を塞がれ、引きずられていたそうじゃ。カカシが助けた時には無数の暴行の跡や体中切り傷があってのう…いつ死んでもおかしくない状態じゃったらしい。それで人攫いに拷問まがいの事をされていたと考えられておったそうじゃ」
ロー)「…」
クロガネ)「アヤが木の葉で保護され、ミナトがアヤの出生を調べ、壬生一族の事が発覚した時には半年ぐらい経っておってな。調べる為にも壬生の里に向かったが…ほとんどが残っていなかったそうじゃ」
ロー)「ほとんど?」