第44章 ★ 宴・終 * 夢主視点 ★ ① ★
私は寝れなくて1人その場を離れた
少し離れて海岸の見える崖まで来て座って海を眺めた
「…寝てなかったの?」
ロー)「…お前が寝てなかったからな」
「…そう」
ローは私の側まで来て背中を合わせるように座った
背中から感じる人の体温に少し泣きそうになった
「…」
ロー)「…今、何を考えてる」
「…なにも…」
ロー)「…」
「…何を考えていいのか…分からなくなって…」
ロー)「…今は何も考えなくていい」
「…」
ロー)「今は…この島にいる間はゆっくりしろ」
「…うん」
私はローの背中に頭を預けて空を見た
「…月が綺麗だ…」
《月が綺麗》
この言葉には意味があるって聞いた
忘れたけど
自然と出てきた
本当に綺麗だったから
ロー)「…そうだな」
ローは私の独り言のように呟いた言葉に返した
「…ローは…どう…思った?」
ロー)「…さっきの話か?」
「…うん」
ロー)「…婚約者の話は驚いた」
「…ふふっ。ロー可愛い」
ロー)「…ピアスもいつも付けてた小指のリングも気になった」
「ふふっ。そっか」
ロー)「あの額当てと武器はかっこよかった」
「ふふっ。あれも忍道具だもんね」
ロー)「…里の話は…正直分からない事が多かったがお前が大事にしてた事は分かった」
「…私、里の人達に受けた恩を返せなかった。火影様にもカカシにも、ジジィにも、他の同期の忍達にも、里で私の事を気にしてくれた人達にも…なにも返せなかったなって思った…正直、この気持ちもこっちに来てから分かった…私はちゃんと里を守りたいって思ってたんだって思えた」
ロー)「…」
「私、あの時はカカシが里を守りたいって思ってたから私もそうしなきゃって思ってた。でもちゃんと、私が守りたいって思ってたんだって…少し驚いた…」