第43章 ☆ 宴・初 * ロー視点 ☆ ① ☆
宴ではクルーが見つけた果実や船から持ってきた酒、クロガネ屋の魚料理などが並んでいた
それを皆で囲いながら話をしていた
アヤは俺の横に座っていた
ロー)「飲むなよ」
「飲まねぇよ」
アヤはジュースを飲んでクロガネ屋を眺めていた
クロガネ屋はジャンバールと話しながら酒を飲んでいた
ロー)「…話さないのか?」
「後でね…私が死んで10年ぐらい経ってるって言ってた事も気になるしジジィがこっちにどうやって来たのかも知りたいし。里のことも…カカシの事も気になるし」
ロー)「…」
「ジジィがね、私の保護者代理になったのは私の師匠がお願いしたからなんだけど。初めて会った時…ジジィ、私に《独りで泣かなくていい》って言って頭を撫でてくれて、私初めて人の前で泣いたの。なんで泣いたのか覚えてないんだけど…《勝手に出てくる涙まで我慢しなくていい。子供が涙を我慢するもんじゃない》って言ってジジィは笑う事以外の感情を教えてくれて…似合わないよね。あの強面のジジィがさ…それまでカカシやリン、師匠の前で泣けなかった。まぁ、ジジィやカカシの前以外で泣けなかったんだけど…私、目から出てくる《涙》をその時初めて知ったの。それまで涙が分からなかった…泣く感情が、分からなかったの…ジジィには感謝してるんだ」
そう言ってアヤは俺に顔を向けた
「…もう会えないと思ってたから…少し、嬉しいんだよね。ジジィには死んでも言わないけど」
そう言ったアヤの顔は嬉しそうに笑っていた