第43章 ☆ 宴・初 * ロー視点 ☆ ① ☆
無人島だと思われていた島には男が1人で住んでいてその男はまさかのアヤの保護者代理だった
名を《クロガネ》屋
アヤがいた世界の里1番の鍛冶屋らしい
アヤに代理とはいえ保護者がいた事に驚いた
保護者がいてなんで金の使い方知らねぇんだよ
いや、それ以上に婚約者がいた事に驚いた
アヤから詳しく話を聞けばなんともアホらしい理由ではあったが…
《婚約者がいた事実》
そんな事をまさか他の人の口から聞く事になると思っていなくて、少なくとも俺は動揺してしまった
話し終わった後、俺の顔を笑ってつつくアヤを見て
珍しいものでも見るような顔をしていた
クロガネ)「…お前、変わったな。そんな風に笑えたのか」
「…そうだね。確かに変わったかも」
クロガネ)「…そうか」
クロガネ屋はアヤの頭を撫でて
クロガネ)「お前が死んだと聞いた時驚いたんじゃ。人はいつか死ぬ。だがお前には独りで死んで欲しくなかったからのう」
そう言ったクロガネ屋の顔は少し寂しいような
安心したような目をしていた
クロガネ)「また話しが出来て良かったわい」
「…」
クロガネ屋はアヤの頭から手を離して俺を見た
クロガネ)「まだ話せる時間はあるんか?」
ロー)「それは構わない」
クロガネ)「なら飯を食ってけ。話したい事は色々あるからのう」
そう言って奥に消えていったクロガネ屋
アヤが俯いてるのに気付いて「泣かないのか?泣き虫」と声をかけれぱ「…うるせぇ。はげ」と返ってきた
ロー)「口が悪ぃな」
俺は少し笑ってアヤの頭に撫でて
シャチ達に宴をするから酒とかの準備をして
他のクルーも呼んで来るように言った
戻って来たクロガネ屋に
クルー皆で宴をする事に伝えると豪快に笑って「ならツマミでも作ってやるわい。今日は魚が釣れたんじゃ」と言って
また奥に消えていった
その日の夜…宴が始まった